「日本の面影」(後編)
「日本の面影」舞台版(後編)
ロンドン公演 その3
役者さんのコメントの続きから でしたよね・・。
パソコンに向かう時間がとれなくて、記憶が遠のいていってます。
三田和代さん(妻・小泉セツ)・・客席の雰囲気がとてもよくて、自分達が、サービスしてもらっているみたいだった。
このまま、お客さんごと、日本に連れて帰りたい。
自分をあまり作らずに、自然に演技できた。
加藤土代子さん(セツの養母・稲垣トミ)・・今回のパンフレットを、ずっと大事にとっ
ておいて、いつか、孫に、「おばあちゃんは、ロンドンの舞台に立った」と、見せるつも
り。
内山森彦さん(セツの養父・稲垣金十郎)・・緊張しました。
加藤佳男さん(佐伯先生と、ハーンの父)・・奥さんもツアーに参加しているので、(今、自己紹介する時)自分をうまくコントロールできません。
山本亘さん(西田先生)、松下砂稚子さん(セツの実母)、松熊信義さん(セツの養祖父)、のコメントが、今、思い出せません。
あと、若い3人(中村啓士さん、大原和洋さん、藤島琴美さん)は、ティーパーティーには、参加されていませんでした。
みなさん、もっといろいろ話して下さったのに、残念なことに一部分ずつしか、思い出せません。
記憶から抜け落ちています。
ここから先は、ティーパーティーで、山田太一さんのお隣りに座ってからのことです。
私は、質問らしい質問はほとんどしませんでした。
隣にいるだけで、満足してしまって、
自分の思っていることを少し話しただけでした。
今、考えると失礼なことを言ったかもしれません。
太一さんなら、わかってくれる、と安心して、あまり言葉も選ばずに話しました。
今までの作品は、映像では見ていないものが多く、ほとんど脚本だけだったこと。
インターネットを通して、太一さんのドラマをビデオに保存している方から、幸運にも連絡を頂き、これからもみることのないはずだったドラマを、見ることができたこと。
脚本と、実際に映像になったものとでは、印象も違い、長いこと好きだった作品の順位が変わったこと。
特に「早春スケッチブック」の山崎努さんの迫力がすごかった、こと。
送って頂いたビデオを、通していっぺんにみたいけれど、
そうする時間がなく、
逆に全部見てしまうのももったいなくて、
少しずつ大事に見ている、
これから作るものは数も限られてくるけれど(失礼・・!!)、
私は今までの作品でまだ見ていないものがあるので、
楽しみがあって良かった、
見ることが出来る可能性が全くないのは困るけれど、
ビデオも手元にあって、全部見終わっていなくて、良かった、と思っていること。---
こんなことを話しました。
太一さんは、
「そうやって、保存してくれているのは、嬉しいですね」
「『早春スケッチブック』は山崎さんの演技が良かった、先日山崎さんと食事に行った時に、山崎さんが『早春スケッチブックを最初から見ているけれど、あれ、面白いわ』と人ごとのように言ってました」
とおっしゃっていました。
次からは、他の方からの質問です。
最近良かった映画は?・・「千と千尋」「愛のエチュード」「ポルノグラフィックな関係」・・今度放送される自分のドラマが、映画の内容と似ているけれど、映画を見る前に書いた物なので、パクッた訳ではありません、同じようなことを同じような時期に考えている人がいるのだ、と不思議に感じました。
「丘の上の向日葵」を書いた時にも、同じようなことがあって、その時にも、不思議に思いました。
「ふぞろいの林檎たち」は、もうやらないのですか?
・・僕はもうやりたくないのですが、毎年ある時期になると、テレビ局から「やりませんか」と言われる。
本当は、連続物はもう書くつもりはない、今、連続ドラマを書こうとすると、いろいろとうるさく言われて、書きたいものがなんだったのかわからなくなってしまう、つかいたい俳優さんが地味な人ばかりだと駄目だと言われるし、事件らしい事件を盛り込まないと、また駄目だと言われて、そういうことは、若いときなら、条件を呑んでも打ち勝ってやろう、と思えたけれど、今は、連続物は書かないことに決めました。
もうすぐ死んじゃうんだから好きなことだけすることにしてます。
(私が、NHKとかで、2~3回位とかのは?と質問すると、「それくらいならあるかもしれない」ということでした)でも、「ふぞろいの林檎たち」に関しては、やるかどうかは決めてないけれど、やるとすれば、再来年以降です。
つづく・・。
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ロンドン公演 その4
--続きです。
山田さんは、最近のドラマなんかは見ないのですか?
・・野沢尚さんの「反乱のボヤージュ」、見てくださいと、野沢さんからビデオを送ってもらったのを見ました。
面白かったですよ。
「再会」見ましたよ、との声に・・・地方局から、好きな俳優さんで、自由にやっていい、と言われてやってみたのですが、面白かった、向こうも面白かったと言ってくれてるので、またやろうかと話してます。
インターネットはされないのですか?・・「インターネットは、悪口ばかり書いてあるし、しかも匿名の世界だから、ものすごいこと書かれているから、見ない方がいいよ」と、言われて、見ないことにしてます。
質問コーナー(そんなコーナーはありませんでした、今、作りました。)は、これくらいです。
私が「2日目の公演も行きます」というと「そんなにいいですよ」と言われましたが、行きました。
1日目より、すごい人数に感じました。
太一さんはその日、NHKの取材があるので、早目に劇場に行かなければならない、ということでした。
ホテルから劇場へは、地下鉄を乗り換えして、あとは徒歩で行かれるとのことでした。
てっきりタクシーを使われるのかと思っていたのですが。
他の役者さんたちは、どのように劇場まで行かれていたのでしょう!?ツアー参加者の、風間杜夫さんのファンの方達は、3日間劇場に通って、風間さんが出て来るまで、外で待っている、と言ってました。パワフルでした。
2日目、タクシーで一緒にどうかと誘って頂きましたが、私は行きも帰りも一人で地下鉄にしました。
ひとりで余韻に浸りたかったのもあるし、「好き」の種類の違いを感じたりもしたので。
ティーパーティーの帰り、太一さんが
「じゃあ、もし来て下さることになったら、劇場で会いましょう」
と言ってくださいましたが、
私は3階席で、きっと太一さんは1階席で、
探さなければ見つからないような感じだったので、諦めました。
探し出して声を掛けても、ご迷惑だろうと思いました。
でも、お芝居が終わって、帰ろうと階段を降りる時、太一さんがちょうど階段を上っていらっしゃって、擦れ違いました。
「こんばんわ」
「こんばんわ」
「じゃあ、わかりましたね(地下鉄で劇場までどのように行ったらいいか、私がティーパーティーの帰りに質問して、教えてもらったので、それに対して)」
「はい。私、3階でした。3階も人がいっぱいでした、・・さようなら」
「さようなら」
と、会話もできました。
風間さんファンは、<さあ、これから>という感じでしたが、
私は「さようなら」と言えたので、
思い残すことはなく、
嬉しい気持ちで地下鉄に乗り込み、
ホテルへ帰りました。
とっても憧れている人なのに、太一さんと話すとき、アガリ症の私がリラックスしているのが不思議でした。
普段は、好きな人と話すとしばらく手の震えが止まらなくて、ペンのキャップもかぶせられないくらいなのに、です。
風間さんも、好きな俳優さんだったのですが、ひとこともお話できませんでした。
ファンの方々が、あまりにも熱烈で・・。
でも、太一さんと思いがけずたくさんお話できて、これ以上の贅沢はありませんよね。
劇場への地下鉄での行き方まで、太一さんに聞いてしまったなんて、
ほんと、
贅沢な時間を過ごさせていただきました。
了
2021.2.19