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山田太一の扉

作家山田太一さんの作品群は、私たちに開かれた扉ではないでしょうか。

わしも介護をやってみた!(41) あとがき。(終)

 

現実はドラマや映画のように大団円では終らないものです。

 

何故かつての「理想の介護を行っていた人々」は出て行ったのか、そして残った非常勤職員と新しい管理者との軋轢はどうなるのか。

何一つ大きな解決のないままに現実は進んで行っています。

 

 

そして何より、そもそも介護とは如何なる思想によって行われるものなのかという「丸太」の問題があります。

何もかもがうねっています。

現場は問題を次々と内包し、それは好転したり躓いたりしながら「一つの世界」を作っていきます。

まさしく暗中模索ですが、それが少しでもより良き世界になることを願うのみです。

 

 

 

この後、私は富士見さんと共に管理者という大任につくことになります(黒岩氏は転勤)。いきなり古株非常勤職員を飛び越えて、上司となった私にどんな反発がくるのか、怒涛の日々が待っています。

            

 

 

 

「山田太一の扉」への掲載ですので、これを山田さんがどう読んだのか少し書いておきましょう。

介護の世界の細かな事実にまず驚かれていました。

あのトランスをめぐってひと悶着おきるシーンでは、利用者さんの口調が厳しすぎて「この人は、少しくらい感謝の気持ちがないのだろうか?」と疑問を持たれたり、上司とはいえ20代の女性に遠慮なく叱責されるなんてシーンに、屈辱だよねえと嘆息されたりしていました。

マツケンサンバで職員が一体になっていくところは、絶賛で、ここをクライマックスにして、一本の小説にすべきだと熱をこめて語られました。

山田さんは小説書けるかも知れないけど、私は書けないのでそんなことはできません。お世辞半分でも、そういうことを言っていただいて嬉しく思った当時でした。

 

 

                                                                                             2022.10.6

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