わしも介護をやってみた!(2) 初出勤
六月十八日(金)。
デイサービス初出勤。A勤。
A勤とは午前八時三十分から十七時までの勤務のこと。
あとB勤とC勤があるのだが、B勤は三十分遅れの九時からのスタートで、C勤は午前八時三十分から十三時までの勤務のこと。
ちなみにデイサービスとはお年寄りを毎日自宅まで迎えに行き、一日センターで入浴や食事やレクリエーションを提供し、午後再び御宅まで送り届けるというサービスを行うところ。このセンターでは一日二十名以上の利用者さんにサービスを提供しているらしい。
午前八時三十分送迎車三台が各利用者さん宅へ向かう。
私は運転もする予定で就職しているが、今日は初日なのでセンターに残り、皆さんを迎え入れる準備をする。
責任者の富士見さん(女性。三十歳。独身)にお風呂の準備、お茶の準備、消毒薬の準備の仕方などを細かく教わる。「でも男性は殆ど運転してるから、今後これをやることはまずないでしょう」と富士見さん。
やがて九時出勤のB勤者も加わり、更に準備は進み「送迎車到着です」との事務室からの声で一斉に一階玄関まで降りて行く。
このセンターがあるのは市の三階建ての建物で、一階は市役所の分室で支所となっている。二階がデイサービスで、三階に市民が自由に利用できる広い部屋が何室かある。そういう建物である。
目の前に車が到着し、先輩たちの驚くほどの明るい挨拶とともに、利用者さんのエレベーターへの誘導が始まった。
さあ時給八百四十円、週三十六時間労働の始まりである(それ以上働きたくともパートタイマー法で規制されている。所帯持ちどうする?)。
六月十九日(土)。
あっと言う間に一日が過ぎて行く。とにかく苦手なお喋りをするのが大変。そんなに話題なんてないし。その点、先輩女性は凄い。滑らかだ。そんな中でも、なんとか私もお話をして感じたこと。
あるお婆さん。
「こんなに楽しませてもらって長生きはするもんだねえ」と言われる。
「昔の年寄りはこんなことなかったですよ」とも。
また、あるお婆さん。
「私はこんなところに連れて来られる覚えはない。はっきり言って下さい。私が何をしたと言うんですか。どうして何の断りもなくここに連れて来たんですか、何も私は聞いておりません。○○を呼んで下さい」と息子さんだと思われる名前を言われる。返答に困っていると、富士見さんから「あんまり構わないで。今日はご機嫌ななめなの」と小声で言われる。
それぞれの利用者さんに特徴や癖があり、富士見さんはあるところは放っておくという態度を示す。要領が分からない私は戸惑い続ける。
やはり利用者さんにはお婆さんが多い。そしてよく喋る。お爺さんは寡黙な人が多いので、お婆さんのパワーがやたら目につく。
私ほど歳のいった男性ヘルパーは少ないかなと思ったらそうでもない。定年後に来る人が殆どらしく年輩者ばかりで、老老介護になっている。ある人に「若いね」などと言われる。ビックリ。
同性介護を原則とするこのセンターでは常時三四人は男性がいるようになっているらしい。