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作家山田太一さんの作品群は、私たちに開かれた扉ではないでしょうか。
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6月のお楽しみです。
山田ドラマ。
ひとつだけあります。
6月7日 「俄(にわか)-浪華遊侠伝-①~⑦」18:00~0:00(TBSチャンネル2)
6月8日 「俄(にわか)-浪華遊侠伝-⑧~⑬」18:00~23:00
6月20日 「プレミアムカフェ『少年ドラマシリーズ 蜃気楼博士』」9:00~10:31(NHKBSプレミアム)
21日22日連日。
NHK「少年ドラマシリーズ」というのは、本当に限られた数しか残されていないということですが、これは貴重な放送ということになります。
映画「ウエストサイド物語」。
今月も放送です。吹替版も。
6月3日 「(吹替)ウエストサイド物語」12:30~15:15(ザ・シネマ)
6月3日 「(字幕)ウエストサイド物語」21:00~23:45
おいハンサム!!
6月5日 「おいハンサム!!①」9:00~10:00(日本映画専門チャンネル)
毎日曜。
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
6月7日 「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」21:45~22:00(NHKBSプレミアム)
毎火曜。
先日「ドラマ・ファン」でも話題になった花登筺のドラマが変則的構成で放送です。
6月5日 「どてらい男(やつ)①③⑯⑱」23:20~3:20(時代劇専門チャンネル)
6月6日 「アラバマ物語」6:00~8:30(ザ・シネマ)
1962年の映画。
随分と古い映画ですが、町山智浩氏のこんな解説を聞けば少し興味が湧くかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=pi7uVI9W8aA
大根仁。
6月11日 映画「バクマン。」21:00~23:10(チャンネルNECO)
6月19日 「共演NG①」3:10~4:00(ホームドラマチャンネル)
6月26日 「共演NG②~⑤」0:30~4:00
宮崎駿。
6月17日 「劇場版名探偵ホームズ 青い紅玉の巻/海底の財宝の巻/ミセス・ハドソン人質事件/ドーバー海峡の大空中戦」21:00~23:30(WOWOWプラス)
6月3日 「四畳半神話大系」0:55~1:25(フジテレビ系)
毎金。
向田邦子。
6月27日 「寺内貫太郎一家98秋」19:00~20:40(TBSチャンネル2)
ウルトラマン
6月25日 「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン(1979年)」20:15~22:15(ファミリー劇場)
宮藤官九郎。
6月30日 「ゆとりですがなにか①」0:00~1:00(TBSチャンネル2)
連日。
何か情報がありましたらお知らせ下さい。
助かります。
上にあるCategory「ドラマ・ファン通信」横の数字をクリックしてください。レスを見ることが出来、レスをすることもできます。
なお「通信2022.05」「通信2022.04」は「過去ログ2022」に移動しています。まだはっきり決めていませんが1年ほど保管したら日付順に消していくつもりです。
異常気象が定番化しても、やっぱり6月は梅雨でしょう。
雨の風情を楽しみましょう。
「通信2022.07」
7月のお楽しみです。
既報通り「岸辺のアルバム」放送です。
7月6日 「岸辺のアルバム①」21:00~22:00(日本映画専門チャンネル)
毎水。
再放送毎日曜。
これも既報通りですが「岸辺のアルバム」はParaviでも配信中です。
山田ドラマとしては、「高原へいらっしゃい」「想い出づくり」「悲しくてやりきれない」「丘の上の向日葵」「ハワイアンウエディングソング」「あなたが大好き」なども配信中です。
倉本聰も市川森一も向田邦子も少しずつですが配信しているようです。
https://www.paravi.jp/title/11791
配信が毎月充実したラインナップを組んでくれたら「来月のお楽しみ」なんて書かなくていい時代が来るのかもしれません。
でも再生回数が悪かったらすぐラインナップから消えるんだろうから、安心はしてられません。
「来月の配信情報」なんてものが必要になってくるのかな?
7月11日 「俄-浪華遊侠伝-①~⑦」18:00~0:00(TBSチャンネル2)
7月12日 「俄-浪華遊侠伝-⑧~⑬終」18:00~23:00
笛吹川。
7月1日 映画「笛吹川」19:54~22:30(BS松竹東急)
木下恵介監督の名作。
「山田太一グラフィティ」
taichinotobira’s blog (hatenablog.com)
の(31)~(34)に「この子を残して」の第一稿を山田さんが木下監督に見せるというシーンを書いています。
この時木下監督は「大変なホンを書いてきたねえ」と驚嘆しつつ「山田君はボクにどういう演出を期待してる?昔のボクの作品で言うと」と聞きます。
山田さんは「笛吹川」のような、悲惨な事実がこまごまとあるんだけど、それを一々アップするわけではなく、淡々と引いて撮ったような、そんな演出がいいですねえと答えています。
そんな「笛吹川」。
久しぶりに見たいもの。
早坂暁。
7月19日 「必殺からくり人富嶽百景殺し旅①」18:00~0:00(時代劇専門チャンネル)
毎日。
7月28日 「天国の駅」22:00~0:30(東映チャンネル)
プレミアムステージ。
7月3日 プレミアムステージ「貧乏物語」(井上ひさし作)「炎の人」(三好十郎作)23:20~4:40(NHKBSプレミアム)
向田邦子。
7月17日 「蛍の宿」16:00~17:40(TBSチャンネル2)
おいハンサム!!
7月1日 「おいハンサム!!」20:00~21:00(日本映画専門チャンネル)
毎金。
藤子・F・不二雄
7月28日 「藤子・F・不二雄のパラレル・スペース『値ぶみカメラ』」9:00~9:45(日本映画専門チャンネル)
マタンゴ。
7月10日映画「マタンゴ」7:10~19:00(日本映画専門チャンネル)
東宝のお偉方から、こんな怪獣が最後に出てくるような映画作るなと大目玉をくらった作品。
脚本を福島正実、星新一ら本格SF作家におまかせしたのが良くなかったのでしょうか。しかし見事な作品です。今でもカルト的人気衰えず。
駆け出し時代の石ノ森章太郎が「少年」という漫画誌に「マタンゴ」の読み切り漫画を、映画公開時に描いています。映画とは違うまとめ方をしていて良かった。単行本化されてないけど、いつか再び読みたいものだと思っています。
ひまわり。
監督ヴィットリオ・デ・シーカ 主演ソフィア・ローレン
あのひまわり畑の撮影地がウクライナということもあってか、ごく最近リバイバル上映されました。CSでも放送です。
倉本聰。
7月1日 「あにき①②」18:00~20:00(日本映画専門チャンネル)
毎金。
地上波など。
ドラマ以外の話題で注目されている綾野剛が主演する日曜劇場「オールドルーキー」(TBS系)。
6月26日(日)スタートですが、どんな仕上がりでしょうか。
7月10日は参院選です。
閉塞状況の世の中で、それでも自民党が勝つと言われている「ベタ凪」(麻生元首相談)選挙。
暴露系パワーの動向を楽しむ以外ないのかもしれません。
「ドラマ・ファン」なきあとは、ここのみが連絡ツールとなります。
何か情報がありましたらお知らせ下さい。
助かります。
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なお「通信2022.06.06」「通信2022.06」「通信2022.05」「通信2022.04」は「過去ログ」に移動しています。
「通信2022.08」
8月のお楽しみです。
山田ドラマ。
8月3日 「岸辺のアルバム⑤」18:00~19:00(日本映画専門チャンネル)
毎水。
再放送毎日曜。
配信もあります。
https://www.paravi.jp/title/11791
4Kの放送。
8月15日「男たちの旅路①」10:00~11:10(NHKBS4K)
8月16日「男たちの旅路②」10:00~11:10
8月17日「男たちの旅路③」10:00~11:10
8月18日「男たちの旅路第2部①」10:00~11:15(NHKBS4K)
8月19日「男たちの旅路第2部②」10:00~11:10
8月22日「男たちの旅路第2部③」10:00~11:30
8月23日「男たちの旅路第3部①」10:00~11:15(NHKBS4K)
8月24日「男たちの旅路第3部②」10:00~11:10
8月25日「男たちの旅路第3部③」10:00~11:15
8月26日「シャツの店①」10:00~10:45(NHKBS4K)
8月29日「シャツの店②」10:00~10:45
9月2日まで連日。全6回。
8月22日 映画「キネマの天地」19:54~22:30(BS松竹東急)
早坂暁。
8月1日 「必殺からくり人富嶽百景殺し旅⑩」18:00~0:00(時代劇専門チャンネル)
毎日。
終戦記念日ということでいろいろ放送です。
向田邦子。
8月13日 「いつか見た青い空」11:00~12:40(TBSチャンネル2)
8月13日 「言うなかれ、君よ別れを」12:40~14:20(TBSチャンネル2)
8月13日 「蛍の宿」14:20~16:00(TBSチャンネル2)
8月14日 「昭和のいのち」11:00~12:40(TBSチャンネル2)
8月14日 「あさき夢見し」12:40~14:40(TBSチャンネル2)
8月14日 「私は貝になりたい(1958年版)」14:40~16:00(TBSチャンネル2)
橋本忍脚本。
8月15日 映画「陸軍」18:00~19:40(BS松竹東急)
木下恵介監督。戦意高揚国策映画として作られたにも関わらず、息子を戦地に送る母にこだわり、これじゃ戦意は向上しないと当局から大目玉をくらったと言われる作品。
8月15日 映画「二十四の瞳」19:40~22:30(BS松竹)
大ヒットしたけど、学園紛争ドラマ「女の園」を撮った木下恵介が、その次に何故「二十四の瞳」を撮るんだと松竹の助監督たちに批判された作品。叙情派のレッテルを貼られた木下恵介は、強者を描く黒澤明に比べると分が悪かった。
可哀そうな境遇の子供たちに、一緒に泣いてあげることしかできないと言う女先生の姿は、強くあろう強くあろうと思っていた時代では不当に評価された。ひょっとすると今でもそうかもしれません。
8月10日 映画「父子草」19:20~21:00(日本映画専門チャンネル)
木下恵介脚本。
フーテンの寅さんの原点とも言われているらしいですが、流れ者として暮らす渥美清の話です。
終戦後復員すると、渥美清は戦死あつかいされていて、妻は自分の弟と再婚している。
渥美清は寂しく身を引き、子供とも会えず彷徨する日々。
そんな男が屋台で出会った予備校生と交流を深める。
「生きていた英霊」問題をほろ苦い笑いとともに描いた作品。
8月9日 映画「原爆の子」11:10~13:00(日本映画専門チャンネル)
新藤兼人監督。
洋画は「戦場にかける橋」「ひまわり」などもあり、たくさん放送されます。
プレミアムステージ。
8月7日 「僕は歌う、青空とコーラのために」鄭義信作・演出。
「私たちは何も知らない」永井愛作・演出。
23:20~4:11(NHKBSプレミアム)
倉本聰。
8月12日 「あにき」17:15~18:15(日本映画専門チャンネル)
毎金。
地上波など。
継続視聴中。
「空白をうめなさい」(NHK)
「鎌倉殿の13人」(NHK)
「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS)
9月のお楽しみです。
9月7日 「岸辺のアルバム⑩」18:00~19:00(日本映画専門チャンネル)
毎水。
配信もあります。
https://www.paravi.jp/title/11791
9月19日 「俄-浪華遊侠伝-全話一挙放送」12:00~23:00(TBSチャンネル2)
早坂暁。
9月7日 「必殺からくり人富嶽百景殺し旅①」1:00~3:00(日本映画専門チャンネル)
毎日。
9月30日 「必殺からくり人①」18:00~19:00(ホームドラマチャンネル)
向田邦子。
9月11日「寺内貫太郎一家‘98秋」23:00~0:40(TBSチャンネル2)
深作欣二&千葉真一。
9月3日 「カミカゼ野郎真昼の決斗」12:35~14:20(日本映画専門チャンネル)
新人時代の深作欣二、千葉真一コンビのアクション映画。千葉真一は当時では珍しかった吹き替えなしのスタントに挑戦。
かぐや姫(短縮版)
1935年の映画。
田中喜次監督。
まだ特撮部門に行く前の 円谷英二が撮影している。
フィルムは長く行方不明だったが、2015年にイギリスで発見された。
貴重な放送です。
アメリカン・ホラー・ストーリー
9月5日 「アメリカン・ホラー・ストーリー 2つの物語『赤い海』⑥」23:00~00:00(FOX HD)
毎月曜日。
ある薬を飲むと脳が活性化し、小説家は素晴らしい作品を一晩で書きあげ、音楽家は驚異的な演奏をするようになる。歌手、画家、脚本家それぞれの世界で効果が。
しかしそれは「才能があれば」の話で、ないものはゾンビのように徘徊するモンスターになってしまう。
そして才能があった者も渇きを覚え、血肉を欲するようになる。そんなゾンビワールド。
薬はどこで作られ在庫はどれだけあるのか?サバイバルが始まる。
久し振りの放送です。
主演カークダグラス。
脚本ダルトン・トランボ。
監督スタンリーキューブリック。
「ローマの休日」「ジョニーは戦場に行った」などのトランボ脚本が完璧です。まだ巨匠になる前のキューブリック演出も素晴らしい。でもキューブリック自身は製作総指揮のカークダグラスが主導権を握っていて、あまりいい思い出がないらしい。
だが映画はすごい!名シーンがたくさん!!
岸田今日子主演。
1976年の昼帯ドラマ。
未見です。脚本も演出も存じません。でも「娘の結婚」の佐野厚子(佐野アツ子)が出ています。松本清張の短編を連続ドラマにしているわけですから、かなりオリジナルが入っていると思われます。レアものかもしれません。
地上波など。
「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS)
先日もゲスト出演の生見 愛瑠の演技力がネットで話題になっていましたが、1話1話工夫をこらした魅惑的なドラマです。
「鎌倉殿の13人」(NHK)継続視聴中。
だんだんと権謀術数に汲々としている普通の大河ドラマになってきていますが、もうちょっと見てみようと思います。
「死神さん」(日本テレビ)
9月6日 「死神さん①」2:20~3:20(日本テレビ)
9月7日 「死神さん②」1:59~2:59
9月8日 「死神さん③」2:35~3:35
9月9日 「死神さん④」2:59~3:59
9月10日 「死神さん⑤」2:55~3:55
9月11日 「死神さん⑥終」2:25~3:25
Huluで堤幸彦らが作った刑事ドラマ。田中圭、前田敦子主演。
9月17日より第2シーズンがHuluで独占配信だそうで、その番宣ですね。Huluに入ってない方はこのチャンスにシーズン1を。
続編の登場。
脚本山田洋次 石川勝己
演出朝原雄三
10月の話ですがフジテレビで「エルピスー希望、あるいは災いー」が放送され始めます。
脚本渡辺あゆ、演出大根仁、出演長澤まさみ。どんなものでしょう。
老年期に入った時、山田さんは自分の性欲に変化(減退)が起きたと言っています。性欲に支配され、反射神経のように女性を分別するなんてことがなくなったとエッセイに書かれています。
その変化を根底にすえて書き始めたのが「朝のカフェで」(雑誌「小説トリッパー」朝日新聞社)という小説で、1回目を発表し、2回目を書き終えたところで、書き進められないと気づき執筆を中止します。そして18年経った今に至るまで止まったままです。
現在、この時の山田さんの年齢を越えた私に、性欲の変化がおきているかというと、おきていません。
まるっきりスペックの違う天才と比較しても始まりませんが、この問題は、一般的にどうなのか、老年期の性とはいかなるものかという問題を考えてみました。
とは言え、男の側の言い分というのは通俗的で「オレは生涯現役さ、舐めんなよ」とうそぶくばかり。逆に女性の側は「そんなもの、もうとっくに卒業したわよ」と言う人ばかり。どちらにしても、本当のところは周知されていないのが現実です。
キンゼイ報告という性レポートがアメリカを震撼させたのは1943年です。性に関する調査というのは長くタブー視されていて、女性にも性欲があるという当たり前のことが知られるまでには随分と時間がかかりました。
キリスト教などは、セックスは子をなすためだけのもので、女性の性欲なんてないと言ってはばからなかった時代が長く続いていました。
「恥かきっ子」という言葉があります。随分歳をとってからできた子供のことです。
繁殖に相応しい年齢があって、それを越えてからできる子供は「まだやってるの?」という目で見られ、「恥かきっ子」と揶揄されていました。
一神教の支配が薄い日本でも、セックスは繁殖のためだけだと思われていた時代があったということです。
その通念は理論的には覆されたのですが、ことは簡単ではなく、それぞれの地域の実情に今も縛られ続けており、そんな中で老人の性はとらえられているということです。
ですから、町中で見かけるお爺ちゃんお婆ちゃんが、キスしたりセックスしたりするのか?と考えただけで、「気持ち悪~~い!」と思う若い人が大半ですし、老人だけではなく、中年の夫婦ですら、「え?俺の親父やおふくろがキスするの?」と想像しただけで、おぞましい気持ちになるようです。
山田ドラマにすら、自分の父親と母親がキスするなんて想像できないという、若者の感受性が描かれたりしています。
性は繁殖期を基準に考えるという習慣は、今も画然とあると言えるでしょう。
しかしそれは間違いです。
還暦を過ぎても「私、いつまで濡れるのかしら?」と言う女性は存在するし、男のED問題も、いい薬が開発されて現役維持に役立っています。
老人の性生活はあるということです。
友人知人の話を総合すると、卑近な例で恐縮ですが、はっきりと断言できます。
老人の性というと、爺さんが若いおんなを漁っているという、いわゆる回春のイメージで見られがちですが、そんなものではなく、現代は老年期の男女がめくるめく世界を展開しているということです。
もう男性に見せられる裸ではないというハードルが女性を躊躇させますが、それを越えられれば、避妊の必要もない、繁殖にとらわれない、おおらかな性が待っています。
思えば繁殖期のセックスはひたすら慌ただしいものと言えたでしょう。
若いころは配偶者の選択で必死ですし、何人知っているからベストな配偶者を選択できるというものでもなく、最後の判断は賭けのような世界です。
結婚生活が始まっても、果たしてベストな選択をしたのか、ベストなセックスをしているのかという不安は、このマスコミ時代の中で常に揺らいでいます。
子育てが始まれば、落ち着いてセックスなどできない人がほとんどです。子供だけを見ていて、お互いを見ないという慌ただしさの中にあり、性生活もそういう流れになります。
繁殖期が終われば、そのしばりがなくなります。どれくらい豊かな世界かということです。子供を育て上げお孫さんもいる女性が、初めてセックスの味わいを知ったと言われる気持ちがわかるように思えます。
ただです。
ただ、セックスは、当然ですが相手があってのことです。
それがないと難しい問題となります。
若い人はおわかりにならないかもしれませんが、夫婦だからといって相手がいるという保証にはなりません。
セックスは肉体だけでするものではないという問題があります。
セックスは半分以上想像力の産物です。
女性がよく「愛してる?」と聞きますが、二人の間に愛が構築できていると思えるのは圧倒的な想像力に裏打ちされた世界です。
ベッドの上で、どれくらいお互いの想像力を刺激しあえるか、鮮度を持って向かいあえるかという問題です。
だから、長年連れ添った夫婦だからといって刺激しあえる関係でなければ、性生活は不可能になります。セックスレスの多さや、不倫の多発は、そういう問題への一つの答えだと思います。
そして老人のADLが問題になる時に必ず出てくる廃用症候群は、当然、性にもあって、その能力を使っていなければ廃れていきます。廃れて閉じていくお年寄りもたくさんいらっしゃいます。
つまり個人差がとても大きい世界だということです。
「恥かきっ子」と同義の世界なので、老人の性生活は公には語られません。週刊誌が「一生セックス」なんて煽情的記事にするだけです。
そんな時に山田さんは「朝のカフェで」を書き始めた。
性欲の減退という世の中の通念に寄り添う形のアプローチだったけど、老人の性を描こうとしたことは間違いないことです。
それが中断した。
残念な思いの山田ファンはたくさんいらっしゃるでしょう。
後年、山田さんは「減退」というエッセイで、断念の経緯をこう書いています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
減退を根拠にして新世界如きものを小説に綴って来たが、結局のところこの老人にもひそかで切実なこのような性欲があったというようなかたちで人間の業を描くのでは、現実からどんどん離れてしまうという思いがあった。
挫折して、いくらか回復して、いまはまた勝手な空想の中にいる。
一人の七十代の男の性欲の減退を描こうとしたけれど、そんな話を書かせようとしたのは、僭越ながら時代なのではないか、という手前味噌である。
日本の社会に性欲の減退があるのではないか。社会が性の過剰より性の減退の意味を探りはじめているのではないか。
お前如きに、時代が何を託すのだ、といわれればその通りだが、時代はその時代を生きる誰に対しても時代の限界を強いるものだし、誰に対してもなにかを託すものだといえなくもない。
減退が頭を離れない。
「減退」(「月日の残像」新潮社)より。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人の性欲の減退の話から、時代の性欲の減退の話になってしまっては戸惑うばかりですが、そう言われてみれば、結婚率も下がり、男女の結びつきもどんどん希薄になっていっている時代です。そんな事実が減退を物語っているのかなとも思ってしまいます。
2017年に山田さんが倒れられてから、いろいろお話してきましたが、お体のリハビリとか、手紙を代筆するとか、そういう問題にばかり費やしていて、この問題を山田さんと話すことはありませんでした。
現在コロナで会うことができず、話もできない状態ですが、いつか「朝のカフェで」についてゆっくり話すことができればと思っています。
2022.9.1 4